労働基準法の解雇の制限と解雇乱用
労働基準法と解雇
解雇は、民法にもとづいた雇用の解約です。
ただ、この解雇について、労働基準法では制限をかけています。
労働基準法は、労働基準法が定める基準に達しない労働条件については、その部分を無効とすることができます。
これは労働基準法第13条で定められている、強行法規というものです。
このため、労働基準法は、解雇が有効なのか、無効なのかについては判断しません。
これについては、労働契約法にもとづいた判断となります。
解雇の制限
労働基準法で第19条1項に定められている解雇の制限には
- 業務上のケガや病気の治療のために休業する期間とその後30日間
- 女性社員の産前産後の休業期間とその後30日間
について、解雇することが禁止されています。
業務災害によってケガや病気になって働くことができない状況で解雇は辛いものです。
ただ、通勤のときの災害は、対象となりません。
また、子どもを産んで1カ月は外出は控えるといったお国柄の事情もあって、身動き取れない状態であるときも、解雇は禁止されています。
解雇の制限が解かれるとき
その一方で、絶対に解雇できないということもありません。
- 使用者が打切補償を支払ったとき
- 天災などのやむを得ない事情により事業が継続不可能となったとき
は解雇が認められることになります。
この事業の継続が不可能かどうかは、労働基準監督署で認められる必要があります。